2018 July

		友人の建築家Ａ氏のご自宅に伺う。最近、映画の舞台にもなったこのお宅、敷地 に対する建物の配置が面白い。 そして「楽しく暮らすためのしくみ」に溢れて いる。  「内の様な外のような場所」や、縁側とも言えるエントランス、 低い天井が 包まれたような感覚を生むというコーナー・・・。鳥の巣のような暮らしを夢見 ていらしたＡ氏ならではのオリジナリティに溢れた、自由な空間とそ の使い 方。からだが気持ちいいと感じる心とのか かわりを大切に「気持ちよさを生み 出す家のしくみ」を作ることこそ、建築家の仕事なのかも知れない。

		建築家の友人が八ヶ岳に建てた別荘に伺う。学生時代から知っている I 氏の実 作品を拝見するのは初めて。眩しい光と高原の風が吹きぬけ、段差のあるサロン と屋外が一体化したような不思議な空間。手作りの暖炉で次々に焼けるピ ザを ほおばり、ハンモックで寛ぐ・・・何だか夢の中の出来事のよう。

Archi index		吉村順三氏設計によるこの八ヶ岳高原音楽堂。巨匠、スヴァトスラフ・リヒテル の助言を受けて生まれたこの音楽堂は木の響きを最大限に生かし、残響 と音質 の理想を求めて作られたわずか２５０席しかない贅沢な音楽空間。標高 １５００ｍ、夏の平均気温は１９度と爽やかな湿度は透明な調べを生み出 す楽 器にとって理想的な条件だという。 山々に馴染む六角形、暖かい木の温もり、自然と環境に調和した美しい建物とし て「’８９毎日芸術賞」を受賞した作品。同じく吉村氏設計による軽井 沢のハー モニーハウスや、目白のソルフェージュのホールを思い出す。	page top

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